今すぐ、梓のいる場所を突き止めて助けに行きたい。
だけど、まずはこのふたりをどうにかしなきゃ……。
梓、すぐに助けに行くから。
絶対に‼
「ヘンリーを魔界に置いて俺が人間界に来たのは、おまえを殺す為だ」
庵可くんは、真っ直ぐあたしを指差した。
「憎い敵の、ルカの目の前でな」
殺すって……。
「おまえにわかるか?目の前で両親が焼かれて殺される思いが」
「…………」
「あの地下牢で、王族の関係者達はその日の気分だけで俺達を痛めつけた」
あたしが少しずつ後ずさると、ふたりとも同じように足を進めた。
「本当に、あの時はまだ子供だったよ。泣いて『やめて!やめて!』って叫ぶだけで精一杯だったからな」
右の頬の口角を上げる庵可くん。
「いつか絶対に復讐してやると心に誓い、ヘンリーと手を組んだ」


