とても切ない目で、あたしを見ている。
「サラ……良い。少しずつで良い。少しずつ俺の事を思い出してくれさえすれば、それで良い」
フッ。と、彼が切なげな表情であたしの頭を撫でてきた。
“知ってる“
あたしの頭の皮膚が、そう言った気がした。
「悪かったな、混乱させてしまって。だが、ひとつだけ言っておく」
「………」
「おまえが今つけているそのネックレスと、俺は繋がっている」
「……え?」
繋がってる……?
どういうこと……?
「それは、誰かの落し物などではない。それは、おまえの、サラのものだ。ずっとつけておけ」
彼が言うと、周りから悲鳴が上がった。


