悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~



あたしは、メイドさんの手を借りて疲れて重たくなった体を必死に起こした。


バタバタと廊下の向こうから走って来たのは、メイドさんに呼ばれたルカとシキ。


そして、フランさん、セドリックだった。


「サラ‼」


疲れ果てたあたしを見て、ルカの走る足が早まる。


「おまえ、どうしたのだ!何故ひとりでここまで来た?」


あたしの体に異変がないか、ルカがあたしの体を支えながら見ていく。


「大丈夫。あたしは本当に大丈夫だから」


全力で走ってきたあとだから、なかなか呼吸が元に戻らない。


肩で息をしたまま話しだそうとするあたしを、みんなが心配そうに見る。


「そんなことより、ルカ!大変なの‼」


みんなの眉間にシワが寄る。


「ヘンリーに宛てた手紙を送った人、わかったかもしれない‼」


「なに!?本当なのか!?」


フランさんがグイっとあたしの前に出てくる。


「サラさん、それは一体」