悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~



「ああ、ずっと座りっぱなしだったからお尻が痛い」


少し唸りながら立ち上がると、今まであたしの体重で血が止まっていたお尻に、一気に勢いよく血が流れ込んでじんわり温かくなる。


おばあちゃんのように腰を支えながらぎこちなく机の周りを歩いていると、梓が眉を寄せて笑っていた。


少し休憩をはさみながらやった方がよかったかな?


一気にやりすぎて、体がガチガチだ……。


あたしは体を慣らす為に、少し図書室を歩くことにした。


ルカの図書室を見た後だと、すごく狭く感じる。


向こうは読めない言葉ばかりの本だったのに対して、ここは日本語の本ばかりなので何だか親しみを感じてしまう。


こんな感情、他の人に言っても絶対わかってもらえないだろう。


「あ……」


あたしはある本棚の前で立ち止まった。


天体関係の本が並ぶ本棚。


前に庵可くんがここで天体の本を見ていたっけ。


皆既日食のことが気になるからって言ってたけど、どの本に書いてあるのかな。


あたしは本の背表紙を指でたどり、日食のことについて書かれてありそうな本を探した。