彼のグリーンの瞳に、あたしが映った。


「5人目がもう存在しないとなると、無差別に選ぶ可能性がある。それだけ憎しみが強いから。苦しめられれば誰でもいい。そんな考えになっている気がして、俺は怖いんだ」


ルカは悲しく目尻を垂らし、あたしの目をジッと見つめてきた。


「もし、おまえに何かあれば、俺は生きていけない」


……ルカ。


「頼む。絶対にひとりになるな。俺はこれからもっと魔界に行くことが増える。早く解決させるから、それまでは絶対に」


珍しくルカが恐怖に怯えている。


普段は無敵というように、俺様ぶっているのに。


あたしは何故だか、ルカを強く抱きしめていた。


体が勝手に動いてた。


強く、強く。


「大丈夫ルカ。あたしは絶対に大丈夫」


ルカの吐息があたしの首筋にあたる。


「あたしは大丈夫だから、ルカは早くヘンリーを見つけて。そして、早く終わらせて」


「…………」