「今帰って来たの?」
「ああ。ヘンリーもまだ見つからないし」
ルカはグルっと首を回す。
「どうしてヘンリーもそのもうひとりの悪魔も見つからないんだろうね」
「全く気配がないんだ。確かに、ヘンリーが両親の墓に行った形跡はあった。でも、そのあとが不明なんだ」
本当に不思議だ。
なぜ、プツリと存在が消えてしまったのか……。
これもやっぱり、日食の力を利用しているのかな……。
でも……一体どこに行ったというの?
どこかに隠れてる?
「ねぇ、ルカ」
「ん?」
「考えたくないけどさ、次は誰が狙われそうとか、見当ついてるの?」
あたしが聞くと、ルカは大きく息を吐いた。
「いや、順番はわからない」
「…………」
「ただ、あの奴隷制度に関わっていた人物はわかっているから、そのヒト達は、厳重な見張りの中保護している」
そっか……。
バラバラでいるよりは、安全だ。


