あたしはしばらく、ルカの屋敷に泊まることにした。
あたしがここにいても何の力にもなれないかもしれないけど、そうしたかったんだ。
フェスティバルの間は、親に友達に家に泊まると伝えてあるから、あと数日はここにいられるし。
何より、梓や庵可くんが自由に行動できるように、早く解決させたいから……。
コンコン。
その日の夜、ルカの屋敷の部屋でベッドに横になっていたらドアがノックされた。
あたしは上半身だけ起こして、「はい」と返事をする。
現れたのは、白いシャツに黒いズボンをはいているルカ。
あのあとまた魔界に行って、きっと今戻って来たのだろう。
あたしはベッドの横に足を下ろして、乱れた髪を整える。
「眠れないのか?」
ルカが部屋に入りながら言う。
「別にそんなんじゃないよ」
あたしが小さく笑いながら言うと、ルカはあたしの隣に腰かけた。


