「何らかの力が加わると、この本に挟んだメッセージを書いた紙が、パッと、相手のいる場所に届く」
フランさんはジェスチャーも加えてあたしに説明をしてくれる。
「でも、相手のいる場所って……」
「それを突き止めるのに、結構時間がかかるかもしれない」
フランさんの眉間にシワが寄る。
「皆既日食まで約1カ月。時間がない。被害がこれ以上広がらない為に何とか早く突き止めなければ」
突き止めるって言ったって、何にも手掛かりがない。
あたしはヘンリーへの手紙を発見しただけで、他は何も知らないし、ピンと来るようなこともない。
皆既日食まであと1カ月しかないのか……。
間に合うのかな……。
ヘンリーの行方も、まだわからないままなのに……。


