「生きているかどうかもわからないの?」
話しを聞き終わってルカに聞くと、ルカは首を横に振った。
「死亡報告書は出ていない。生きているとは思う」
生きているなら、どうして魔界を調べても出てこないんだろう。
魔界はそんなに広くないはず。
すぐにわかりそうなものなのに。
「これだけ探しても出てこないとしたら、死んでいるが遺体が発見されないままになっているか、あるいは、人間界に出ているか」
「……人間界に?」
ヘイリの言葉に、あたしは眉間にシワを寄せて首を傾げる。
「しかし、仮に人間界に出ていたとしても、その理由がわからないんだよ」
ヘイリは難しい表情をしながら、顎を触る。
「何故、人間界に出る必要がるのか……」
「ただ、人間に興味があるからじゃなくて?」
「全く……わからないのか?」
すぐに理解しないあたしに、ヘイリは面倒臭そうに息を吐いた。
「人間に興味がある前に、まずは我々に復讐するのが先であろう?」
「…………」


