「今わかっているだけで、それに関わっていたメイドは15人だ」
「って事は、あと5人犠牲になる可能性があるってこと?」
あたしはテーブルに乗り上げてヘイリに聞く。
「だから犠牲者がこれ以上増えないよう、早く犯人を見つけたいのだが、なかなか見えてこないんだよ」
ヘイリが視線をテーブルに落とす。
「犯人は、日食の日までに15人全員やるつもりだろう」
フランさんがため息交じりに言う。
「前から気になってたんですけど、どうして日食が関係してるんですか?」
フランさんがあたしを見る。
「奴隷制度が終わった日も、ちょうど日食の日だったんだよ」
……奴隷制度が終わった日?
「魔界では日が昇らないから日食は見られない。魔界でも日食のことを知っている悪魔は少なかった。だけど、あることに興味を持っている悪魔なら、それを知ってるはずなんだ」
「あること……?」
あたしがルカに答えを求めるように眉を上げる。
「魔界では日が昇らない。だけど地上に行けば昇るではないか」


