あたし達は、会議室のような部屋に移動した。
この部屋は他に比べて少し狭いけれど、外に声が漏れないように防音になっている。
そして、入り口に執事を立たせ厳重注意を払っていた。
それだけ、周りに聞かれてはいけない内容ってこと……?
フランさんが長テーブルの前に達、あたしはルカの隣に座る。
ルカの前にはヘイリが座り、セドリックリとシキはテーブルの後ろに立っていた。
「これで10人目だ」
10人!?
フランさんがテーブルに手をつき項垂れる。
「なぜ防げないのだ……」
フランさんが悲痛の声を上げる。
「10人って、どういうこと?」
あたしは隣のルカに小声で聞く。
ルカはあたしに目をやり、何かを決心したように細かく頷いた。
「父上、サラに、もう話しをしても?」
ルカがフランさんに尋ねると、フランさんは何度か頷いてまた大きく息をはいた。


