あたしはルカの胸の中で涙を流しながら、ただただ体を震わせているだけ。
「サラ。部屋に行って休め」
ルカの優しい声が耳元で聞こえる。
だけどあたしは、ブンブンと激しく首を振った。
「メイドを見張りに付けるから安心しろ。な?俺の言うことを聞いて……」
「……る」
ルカの声を遮って声を出したけど、涙でかすれた声はきちんと出なかった。
ルカが「ん?」と耳を近づけてくる。
「ルカと一緒にいる」
あたしは言って、涙を拭ってルカの胸から顔を上げた。
「今からこの事についてフランさん達と話すんでしょ?」
涙で腫れた目は、うまく開かない。
「あたしもいい加減、今何が起こってるのか知りたいし、会議に参加する」
ルカを見上げると、ルカは大きなため息をはいた。
「おまえが大丈夫ならそうしろ」
「…………」
「どーせダメと言ったところで、おまえは聞かないだろ?」
ルカは困った顔で眉をハの字に垂らした。
あたしは唇を噛みしめながら大きく頷く。


