「何でって」
当たり前のことを聞かれて、あたしは口を尖らせる。
「友達だからでしょ?」
あたしが言うと、庵可くんの目は更に丸くなった。
「どうしたの?そんなに驚いて」
庵可くんの反応にあたしも驚いてしまって、梓を見る。
梓は肩をすくめて、表情を緩めていた。
「何でもないっす……。目、腫れてるんで、今日は、ここにいてもいいっすか?」
庵可くんは、また頭まで布団をかぶって言った。
「いいよ。ルカにはあたしから言っとくから。今日は少し休んだ方がいいよ。あ、梓は大丈夫?」
あたしは梓に向かった聞く。
「うん。あたしは大丈夫だよ。サラがずっと近くで守ってくれたからね」
そう言って、あたしに微笑んだ。
その時だった。
突然、ドアの向こうからバタバタと騒がしい足音が聞こえ、あたしは梓と目を見合わせた。


