うん?あれ?
そう言えば……。
「ねぇ、梓」
あたしが顔を近づけて梓に言うと、梓も耳をグッと近づけてきた。
「あたしが図書室で紙を見つけた時さ、このネックレスに導かれた気がするんだよね」
「え?」
「だって、あの量の本の中から、あたしピンポイントで紙が入ってる本を抜き取ったんだよ?それに、その本の前を通った時、体がピタリって止まったの。急にネックレスに重みを感じた気がするんだよね」
うん?
重み?
自分で言いながら、他に引っ掛かるところがあった。
待って……。
ヘンリーに初めてあった日……。
「ヘンリーに初めて会った日、このネックレス、あたしに危険を教えてくれてる……」
独りごとのように言うと、梓は「どういうこと?」と顔を前に出した。
「ヘンリーに会った日。ほら、梓達がルカの屋敷に来た日だよ!」
梓がコクンと頷く


