「ヘンリーの、事なんだけどね」
あたしが言うと、梓はあまり理解できていないという風に顔をしかめて頷く。
「ちょっと、彼には気をつけた方がいいかも」
梓の眉間のシワが増えた。
あたしは分かりやすいように、だけど今までの出来事を事細かく梓に説明をした。
結界が緩んだ原因。
図書室での出来事。
そして、ルカやフランさんが言っていた不可解な出来事。
紙に書かれていた”ヘンリー“が、あのヘンリーの事なのかはまだ定かじゃないけど、一応警戒してほしいと……。
「日食が原因で、色んな事が起きてるんだ」
梓は顎に手を当て、まるで探偵のように出来事を探る。
「ヘンリー宛てのメッセージを誰が書いたかだよね?その字に見覚えがあったりしないの?」
あたしは「ううん」と首を振る。
「そっか……。でも、前にヘンリーが掃除していた付近からその紙を見つけたんだよね?」
「うん、そう」
「何か他に引っ掛かる点はない?」
梓に聞かれ、あたしは目を閉じて今までの事を思い出す。
ヘンリーに出会った時からだ……。
ヘンリーに出会ったのは、梓と庵可くんがルカの屋敷に来た日だ。


