「うわ~!!サラ、超キレイ‼」
別室でドレスに着替え梓達の待つ部屋に入ると、あたしのドレス姿を見て梓が目をキラキラさせて駆けよって来た。
梓はエメラルドグリーンのスカートがフワッと膨らむロングのドレスを着ていて、本当の貴族のように様になっている。
あたしは……。
「そ、そう?このピッタリ感が妙に落ち着かなくて……」
あたしは苦笑しながら、体にぴったりフィットする光沢のある水色のマーメイドドレスの太もものあたりの生地を引っ張る。
ウエストもヒップも足にもドレスがピッタリくっ付いて、自由に動けない。
鎖骨なんてあまり出てないのに、肩が大きく開いているし、胸もないからなんとも貧相だ。
「色といいドレスの形といい、サラにぴったりじゃん‼とにかく、すごく似合ってる‼ね!庵可くんもそう思うでしょ?」
梓はキラキラと輝いた笑顔のままで後ろを振り返る。
すると、仕切られたブースの向こう側からタキシードに着替えてきた庵可くんが顔を出し、思わずポカンと見惚れてしまった。
「うっわ‼本当だ!サラさんめっちゃキレイ‼」
庵可くんはジャケットの袖口から白いシャツを少し出しボタンを止めながらニッコリ笑った。


