悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~



「父上はしなくてよろしいのに。俺達兄弟だけで何とか出来ます」


ルカは呆れたように眉を垂らし、フランさんに言う。


「何を言う。家族が普通に話せるようになったのだ。協力できることは力を合わせて行こう。それも、サラさんの教えだしね」


そう言って、フランさんがお茶目にあたしにウィンクをしてきた。


前に、ルカにもヘイリにも言われたことがある。


協力するなんて、無能な人間の考えそうなことだ。って。


だけどあたしは、ずっと協力しようって言い続けてきたんだ。


自分の短所は相手の長所で補えば、ひとりでは出来ないこともみんなで力を合わせれてば出来るから。


そうすると、おのずと心の距離が近くなって分かり合える。


そう信じて、あたしはルカとヘイリに接してたんだ。


「いや~!!でも本当にまた戻ってきてくれたのだね?シキがサラさんの記憶を全て消して人間界に帰したと聞いた時はとてもショックだったんだよ。例えそれが契約書通りだったとしてもね」


フランさんは眉間にシワを寄せ切なく微笑んだ。