あたしの意思とは関係なく……。
あたしの首に下がるネックレスが一瞬重くなって、足が止まったんだ。
あたしのちょうど目線の位置の本。
ぎっしり本が並べられていて、一冊を取ると両隣の本まで一緒について来そうな程だ。
たくさんの本があるのに、あたしはピンポイントで一冊を抜き取った。
キツク並べられた本を取り出すのはかなりの力が必要だった。
変な胸騒ぎがする。
何語なのかもわからない、背表紙。
歴史の教科書で目にする、ピラミッドなどに掘られてるような絵と、暗号のような文字。
それらが、茶色の古い表紙に刻まれている。
本を恐る恐る開く。
「…………」
そこに、一枚の紙が挟まれていた。
雑にふたつに折られた、ノートの切れ端。
あたしは本を左腕で支えながら、その紙を開いてみる。
「……ッ!?」
中身を見て、あたしは驚いて左腕で支えていた本をじゅうたんの上に落としてしまった。
紙を持つ手が震える。


