「いや……知り合いに似ていたから」 彼は目を細め、優しい表情であたしを見ている。 「シキにも、見せてやりたいな」 「……シキ?」 聞き覚えがあった。 グッと眉間にシワを寄せ、記憶をたどる。 だけど何も思い出せない。 頭痛が増す……。 シキ……シキ……。 どうして、聞いたことがあるんだろう。 「サラ、どうしたの?」 シキという名前に反応したあたしを見て、梓が首を傾げる。 「あ、ああ、いや。ほら、シキ……色素!!肌の色素、薄いなぁって」 ハハっ……。 あたしは咄嗟に言ってごまかした。