悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~



あたしは首をかしげつつも、何故だかあとをつけてしまった。


うっとうしい存在だと思っていながらも、気づかれなかったら気づかれなかったで少し気になる。


あたしも相当面倒くさい性格だ。


庵可くんは階段を上っていき、すれ違うたくさんの女子から声を掛けられ笑顔で手を振っていた。


それもみんなと親しげにしながら。


その庵可くんの人懐っこい性格が、モテる秘訣なんだろうな。


あたしにも少しそれが必要なのかもしれない。


そしたら、ルカにブスブスって言われなくなるかもしれないのに。


きっとあたしには、一生備わらない性格だと思う。


少し距離をあけて庵可くんを尾行していると、庵可くんは図書室に入って行った。


庵可くん、見かけによらず本が好きなの?


庵可くんの軽そうな外見から、"本”というなんかこう物静かなイメージのものが連想できなくてとても不思議な気分になった。


朝から図書室なんて、相当の本好き?


朝一の図書室は物凄く静かだった。


何人か朝から勉強の為、机に座って参考書を開いている人がいたけど、その人の誰もが眼鏡をかけていていかにも勉強ができますって感じの人だ。