そんなあたしを見て、ルカは椅子にのけ反りながら意味深な笑みをこぼす。
首輪をつけて繋げておくだって!?
肝心なことは何も教えてくれないくせに、いつもそうやってあたしを縛りつけようってするんだから。
この指輪だってそう。
何か危険が近づいているならそれを教えてくれた方が回避できるかもしれないのに、ルカはまだはっきりしないことは何一つ教えてくれない。
いつだって事後報告になるんだから。
「ルカ様はそんなにサラのことが好きなんですか?」
梓は朝からテンション高く、ルカに質問攻めだ。
「今すぐにでも食ってしまいたいくらいだ」
「やぁぁぁぁぁ!!!!」
また梓が体をのけ反らせ、顔を覆ってひとりで照れている。
悪魔が人間を食ってしまいたいとか、シャレんならんわ!!
あたしはルカに向かって舌打ちをして拳を振り落とすフリをした。
ルカはあたしの反応を見て、フンと鼻で笑う。
あたしは口の端を引きつらせながら前を向き、スクールバックから乱暴に教科書を出し机の中にしまった。
トントンと、後ろからルカに椅子を軽く蹴られたけどそれは無視。


