「その荒らしい態度も教育せねばな。俺の嫁になる者としてふさわしくない」
「よ、嫁!?」
ルカの突然の発言に声が裏返った。
やかんのお湯が湧いたように、頭からピーっと音がして顔が真っ赤になる。
「顔を赤らめてどうした。おまえが先に言ったのだろう。これからも俺の隣で偉い人達の前に出ると」
「い、言ったけど!!誰も結婚とか一言も!!」
あたしが必死に声を出すと、さらにルカの顔が近づいてきた。
あたしはサッと顎を引いて、上目づかいでルカを見る。
「結婚すると言っているのと同じであろう。その為に、教育が必要だと思っているのだろう?」
そ、そうだけど……。
だけど、結婚って……。
そんなまだ先のこと……。
「ま、そのうちシキがおまえに教育係をつけるだろう」
こんなに心臓がバクバク言っているのはあたしだけのようだ。
ルカは素っ気なく何事もなかったかのようにあたしから体を離し、今度はズボンのポケットをまさぐりだした。
その中かから出てきたの物は……。


