「ドラゴンの卵。ユニコーンのたてがみ・人魚の肉……何が欲しい?」

鉄の匂い
いや、これは血の匂い。

「願いがあるから来たのだろう」

小さい小さい人影は
顔を上げずに呟いた。

この人物は
何度
同じ言葉を吐いてきたのだろう。

抑揚のない言葉は
実につまらなそうだった。

願いがあるから来た


そう

私は願いを叶えにやってきた。


「主人を殺して下さい」と……腕を押さえて声にする。

「ほう……」

口から出された煙が
天井に広がった。