身体を小さく小さく丸めながら 大きな水煙草をくゆらせる 赤茶けた みすぼらしい布で 頭から身体全体を包む。 その小さな人影が 男なのか 女なのか 年をとっているのか 若いのか 私にはわからなかった。 ただ 水煙草にしては大きすぎるパイプの音が コポコポと……思いのほか 大きな音を部屋に響かせている。 「何が望みだい?」 人影がゆらりと動きながら声を出す。 ザラザラと 砂のような声だった。