感じたのは
威圧するような湿気と錆びた鉄の匂い

そして

まなざし

沢山のまなざし

身体中に痛いほど突き刺さる

悲しいまなざし。

目をこらしても
そんな沢山の人影はない。

そこに居るのはただひとり

店の奥に

ただひとり。


ちいさな人間。