全てが暗く濁っている。 うっすらと 申し訳程度のライトがカウンターの上にあり、それだけが照明。 小さな窓から見える碧い色は 夜の入口。 飲食店だったのか カウンターには壊れた椅子が転がり、丸い木のテーブルが3つ、ほこりまみれで並んでいた。 足元にネズミが走る。 驚いた拍子に身体が下がり そのはずみで 折れた左腕がうずき始めた。 楽しみながら 笑いながら あの男は私の腕を折った。 心の底から あの男は笑っていた。