私の願いが叶うなら
喜んでお前を抱いて
路地裏の餌食になろうとも。


私は扉を手をかける

この店は
人を選ぶと聞いたから

息を止め
扉を押すと扉は開く

思いのほかあっけなく
その冷たさを手のひらで感じながら

私は店に足を入れる。


「もう戻れないよ」

屍の楽しそうな声が

背中で聞こえた。