その店


もしも

もしも願いが叶うなら

あぁ
あの男を殺して下さい。
地獄に落して下さい。

憎くて憎くて
たまらない男。

自分には力が足りない
必ず成功したかった
失敗は許されない。

こんな身体では
私がどんなに力を振り絞り、刃を向けても
あの人は笑って振り切り、取り上げ、私に押し付けるだろう。

楽しそうに
それから
原型もないくらいに私は切り刻まれて

闇に溶けるだろう。

身体中にまとわりつく湿度と視線が痛い。

「その代償は?」

小さな人物が口を開く。