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体操服から私服に着替え教室に行くと
トイレにいた女の子たちが私を睨む。
はぁ……めんどくさい。
もうどうにでもなればいいのに。
なればいい…いい、けど。
これ以上友達が離れていくのが、怖い。
「なぁんだ、ゴミ箱に行ったんじゃなかったんだ」
「家に帰ったかと思ったぁ」
「保健室でも行けばいいのにねぇ?」
「教室の空気、悪くなる」
あーあ。もう、帰ろ。
ランドセルを持ってきて荷物をつめる。
「楓ちゃん帰るの?ばいばぁい」
話しかけないでほしい。
ニコニコして、嬉しそうな顔して、
今の私は、思うつぼ、だよね。
「早く帰りなよー」
「ほら、バイバイ」
「また……来年ー」
「あはは、来年とか!ま、来なくていいけど」
「じゃぁね、ばいばーい」
負けてたまるか。なぜかそう思い、“ばいばい”と
未来ちゃんたちに向け、言っていた。
そんな私に目を見開き驚いている。
皆が、シネバイイノニ。
言葉にもできず、行動にも現せず、ただ心のなかで言うだけ。
そんな私は弱いの?強いの?
……きっと、弱いんだよね。

