「あれー楓ー。楓もやりなよ」 さやかがそう言うと、皆の目がこちらを向き バケツを持った子が近づいてきた。 「楽しいの?」 「周り見てみなよ。皆楽しそーじゃん」 どこが? 皆楽しそう?全然。むしろ嫌そうに見えるけど? 「じゃあやろっかな」 バケツから雑巾を取りだし、遥に向く。 「やっ、め……!」 ベンチから立ち上がり、雑巾を……投げた。 「キャアアァァア!」 私の投げた雑巾は顔に当たるスレスレ。