間に合え……! 「いや、やめてっ……!」 裏庭についた途端、遥の声が聞こえた。 ……遅かった。 遥はどこから持ってきたのか、 バケツ一杯に入った汚い濡れ雑巾を投げつけられていた。 「おい、柏木動くんじゃねぇよ」 「的のくせにしゃがまないでくれるー?」 私は、私らしく……。 そうだよ。私らしく、いつもみたく、物申せばいいんだよ。 思ってること言わなきゃ、なにも始めらないよ。