「そんなこと呑気に言っとるけど、桃也だって憂取られとるやん!」
柊花に逃げられた事がそんなにショックなのか軽く涙目で肩を叩く佐藤くんの手を振り払い私を指さしてそう叫ぶ……が、佐藤くんは笑顔で言った。
「ん?憂がこっち来ないのは、豹がいるからだよ。憂、豹のこと怖いらしいし」
後ろの憂を見ると私のジャージの裾を掴んで少し震えてるように感じた。
あっ、本気で怖がられてるよ豹。
「ってこと、叫ぶのやめてくれるかな豹。俺の憂が怖がってるから」
「…………す、すんません……」
ニッコリと微笑んでるはずの佐藤くんがすごく怖いと感じた。
なんか、黒いオーラが……。
「うん、分かればよろしい。さてと、遅刻しちゃうし早く行こっか。階段で行く?」
「俺はそれでもいいで!」
「私は、なんでもいい」
「……わ、私も」
「んー?俺はいいけど、芹那ちゃん階段でいい?」
「……い、いやだっ!!!!!」
みんなが肯定するなか私だけが否定した理由は……1つ。

