「さぁ、芹那さん。入ってください」
入りたくなくてその場に止まっていたら腹黒王子に後ろから押されて強制的に部屋の中に入れられてしまった。
私たちが入るとドアはすぐにしまっていった。
「貴方が、城崎 芹那さんね。ようこそ、我が蘭舞学園へ。私は、学園長の八王子 静恵(ハチオウジ シズエ)です」
学園長にしては若い女の人はすごく綺麗な顔をしていてとてもだれかさんにそっくりだった。
「八王子って……まさか……?」
学園長と腹黒王子を見比べると肯定ととっていいのかはわからないけど二人とも同じ笑みを浮かべていた。
「そうよ、生徒会長である琉宇は私の息子よ。まぁ、それは置いといて。城崎さん、貴方には学園の問題児とも言われている杜川くんのパートナーになってもらいます。パートナーであるあなたのクラスはもちろん、杜川くんのいる2年Sクラスよ。Sクラスには、VIPの生徒達しかいないけど、頑張って愛を深めてね」
「…………」
さすが、この学園の学園長。
やっぱり、一般人である私が理解できるように喋ってはくれないね。
愛を深める……?誰と?
「杜川 青くんとですよ。まぁ、芹那さんがほかの男を好きになればパートナーはいつでも変えられますよ」
青と……愛を深める?いやいやいや、ないでしょ。
初対面の人と愛を深めるとか無理だから。
「……え?なんで琉宇先輩、私の考えてること分かったんですか?」
驚いて隣を見上げると先輩は笑っていて、私の顔を指さしていた。
人を指さすなって教わらなかったのかな……この人は。
「全部、顔に出てましたから」
え、嘘……!
「城崎さんは、ラッキーガールね!杜川くんは、学園で2番人気の物件なのよ!まぁ、私の息子には負けるけど」
物件って……青は建物か。
そんな、ラッキー正直いらなかった。
しかも、学園長すごい息子LOVEだ。
まぁ、こんな美形が生まれれば誰でもそうなるのかな?
私は、琉宇先輩みたいな子供嫌だけど。
「……あっ、来たみたいですよ学園長」
「あら、ほんと」
来た?何が?
二人の声を聞いた後からすごい足音が廊下を響きわたっているのが聞こえた。

