「芹那さん、あれが今日から貴方が通う学園ですよ」
「………………」
一本道の先にある大きな外国にあるような建物に目を奪われる。
すごい……。
「すごいでしょう。我が学園はおしゃれとロマンティックを重視しますからね」
こんなすごいとこに通うんだ……高そっ。
お父さん、ごめんね。
おしゃれとロマンティックねぇ……ん?
「そんなのなんで重視するんですか?」
学校には、あんまり必要が……てか、全然必要ないよね?
腹黒王子の整い過ぎてる顔を見ると何故か私を見てニッコリと微笑んだ。
いや……答えになってないし。
てか、んな答え求めてないから。
「我が学園の教育目標忘れちゃいましたか?ロマンティックな場所がないと男女も盛り上がらないでしょう」
うん……私のあの校舎を見たときの感動を返して欲しい。
やっぱ、意味わかんないよこの学園。
それに、そんなことをニッコリと微笑んで当たり前のように言うこの腹黒王子も有り得ないけど。
「さてと、芹那さん。ここからは私に合わせてくださいね?」
「……は?」
さっきまで私を降ろそうとしなかった腹黒王子が私を降ろしながら耳元でそう囁く。
全然、意味わかんないけど?

