「やっぱ、あんた嫌い」
「杜川くんはツンデレってやつですか?男のツンデレはあんまり好きではないんですけどね」
青がツンデレ……?
この先輩の頭どうなってるわけ?
「全然違うし」
青の顔が歪んできているのに、気付いてるのかなこの先輩は。
青の綺麗に整った顔は惜しみなく歪められていた。
「ここで、言い合いしてる時間が惜しいので失礼しますよ、杜川くん。芹那さんは預かりましたから。行きましょうか、芹那さん」
そんなの私に聞いたところで私に選択権はないじゃん。
私の声は王子先輩の耳には届かないみたいだし、足は地面についてないし。
器用にドアを開けると何かを言っている青を笑顔でガン無視してピンクの家から出る。
「「「キャー!琉宇先輩ー!」」」
あぁ、ピンクの家に戻りたい。
煩い、鼓膜破れるよ。
家から出るとアイドルの出待ちでもしてるのかって言いたくなるほどの女の子たちの甲高い奇声が聞こえてきた。
鼓膜が破れそうなほどの、ね。

