「……あ、お……」
「ん?何、芹那ちゃん」
「……ん?」
なんで青から返事が?
閉じていた瞼を開けると真ん前に青の顔があった。
あれ?
「芹那ちゃん?」
「どこ……?」
「え、家?」
なんで!?
私、桃也といて、桃也が憂探しに行って……木の根元で――――。
「芹那ちゃん、眉間に皺寄ってるよ?」
青の指が私の眉間を突っつく。
木の根元で……青が来たんだった。
「……なんで、あそこに私がいるって分かったの?」
「……え」
「木の根元で助けてくれたじゃん?」
「あ、あぁ……うん。桃也に聞いたんだよ」
なんでだろう、青が困惑した笑みを浮かべてる気がするのは……?
「……てか、なにこれ?」
「え、何が?」
「この状況!!」
「え、あぁ……芹那ちゃん寒そうに震えてたし温めてあげようかなって?」
ベッドの上に寝かされてる私と私を跨ぐように上にいる青。
はたから見たら勘違いされそうな……。
「退いてよ、重い。それに誰かに見られたら勘違いされる」
「勘違い?なんで、俺ら付き合ってんのに」
「…………」
「あれ、芹那ちゃん?」
あれ、今この人なんて言った……?
"俺ら付き合ってんのに"?
「……え、えええええ!?!?」
「え?」
「付き合ってたの?私と青……?」
「え、キスしたじゃん」
こいつの中ではキスした=付き合ってるなわけ!?
「だって……な、何も言われてないし……」
「え、芹那ちゃんは好きでもない男とキスするの?」
「しないけど……っ」
「ほらね?芹那ちゃん顔真っ赤可愛い」
恥ずかしすぎる……。
そんな私にお構いなしな青はすごく嬉しそうな顔で私の額、鼻、頬とキスをしていく。
「ちょ、あ、青……っ!ま、待って」
「ん?」
なんなのこの人……。
「い、今何時!?」
「……ふっ、ククッ……可愛いな。大丈夫、まだ食べないよ?」

