「貴方が私にしたこと忘れたわけじゃないでしょう？あの子は……だったんですよ。君さえ現れなければ！」
「「「……！？」」」
感情を滅多に顕にしない腹黒王子の怒声にその場にいた皆が身を竦ませた。
なに……？あの二人何が？
なんだろう……けど腹黒王子が青に怒鳴ってるのを前に一度見たこと――――――。
「……っう……」
「芹那！？」
「お、おい！？」
まただ……。考えようとすると頭が痛くなる……。
頭を抑えてその場に踞ると豹は慌てて桃也はしゃがみ込んで私を支えてくれた。
「……芹那ちゃん！？」
「ほら、ね？けど……芹那さんをあーしたのも杜川くんですよ？あーしたのはあの事を忘れた方が芹那さんにとって幸せだと思ったからですか？それとも……私に嫉妬したからですか？」
「……。会長には関係ない……」
「人のモノを横取りしてはいけないんですよ？」
「あの子はモノじゃない……」
「……嫌がるあの子に求婚していた杜川君には言われたくないですね？」
「……え、なんでそれを……」
話が終わったのか、コツコツと音を立てて近づいてくる足音。
……青？
