恋愛学園











「憂、早く戻ってきて……青といる憂見たくないんだけど?」






桃也の声が会場を響く。
パートナーが変わっていたことを今の一瞬で忘れてたのか思い出したようにハッとした顔をする憂。






「芹那ちゃんもいつ帰ってくるわけ?」





桃也に感化されたのか豹と柊花越しに私に言う青。





「……いつか?」




柊花の陰に隠れたまま曖昧に返す。
きっと、青の所に戻ったら私は憂みたいになる気がする……。





「……まだ、ペナルティーは終わってませんよ?勝手にパートナーを変えたんですよ?夜のイベントが終わるまでは戻させませんよ?」






今にも戻りたそうな顔をしてる憂に笑顔でとどめを刺す腹黒王子。
なんとなくホッとした私がいて驚いた。
私、青のこと嫌いなのかな……!?






「……芹那……?」





柊花が不思議そうな顔をして私を見る。





「……なんでもな……くないかも……」






「……は?」






なんで私が青を嫌ってんの?
私と青が喧嘩してペアが変わったわけじゃないのに。
憂が桃也から逃げてペアが変わったんだよね……なんで!?






「芹那ちゃん?」





青と憂の後ろ姿見るのはモヤモヤした。





「芹那ちゃーん?」





青といると変に落ち着かないけど、今日はそれがなかった。





「……芹那ちゃん?」






あれ、これって……あたし。






「せーりーなーちゃーん!」





「……っ!?…………あ」






頬に感じた温もりに思考がシャットダウンされて前を見るとあたしを心配そうな目で見てる青がいた。
そして、その手を思いっきり振り払ってしまった。






「……え?」