「……離してっ!」


私の足は今地面にはついていなくて身体は宙を浮いているようなそんな気分だった。なぜなら、王子先輩に"お姫様抱っこ"というものをやられているからだ。



「姫は軽いですね。このまま、学園に参りましょうか」



さっきと変わらない王子スマイルを浮かべているが顔が少し意地悪っぽい笑いを浮かべているように見えたのって私だけ……?


「そうゆうの趣味じゃないから離してください、王子先輩」



「王子じゃなくて、琉宇でいいですよ」


王子先輩を見ると先輩の笑顔はそのまま変わらずそして先輩はそのまま歩き続けていた止まることを知らないみたいに。
私の質問と関係のない解答を言っていた。


あのピンクの車は何のためにここまで来たんだろう。
実際、乗りたくなんかないけどこの体制のままも嫌。



「姫は照れ屋なんですね。こんなんじゃ、この学園では生きていけませんよ?」



照れ屋?私が?なわけあるか。
こんな体制は誰だって嫌になるでしょ。
てか、学園で生きていけない?



「ねぇ、この蘭舞学園ってどんな学園なの?」



王子スマイルを忘れたかのようにキョトンとした驚いた顔で私を見ている王子先輩。


「これは、これは面白い姫ですね。学園を知らないなんて。フフフ、楽しみですね姫」



なんで、誰も私の質問の意味を理解しないんだろう?
私が欲しい解答はどんな所かってとこなのに。
それに、この王子先輩の呼び方も寒くて嫌。




「……琉宇先輩、その"姫"って呼び方止めてくれません?私、"芹那"って名前あるんで」



「あぁ、これは失礼……芹那さん」

この王子スマイルはいつでも出るんだな……。
そんなことを考えていると視界の周りから緑が消えて外国を思わせるような所に着いていた。



――どこ!?