「えっ、マジなんか!?」
「うわ、意外……」
近くにいた二人……という豹がすごく驚いた顔をしてわたし達の間をキョロキョロとさ迷わせていた。
柊花は然程驚いてるようには見えなかった。
"え、喧嘩?"
"わたし達にもチャンスあるんじゃない?"
"俺たちにも"
などというクラスメイトたちの声が聞こえてくる。
小声で言ってるのかもしれないけど、声十分大きいから……。
「杜川・葉山ペアと佐藤・城崎ペアですね、わかりました」
うわ……違和感しかないよ、それ。
てか、ペアってこんなにすぐに変われるんだ。
私と青って……すごいことに巻き込まれてるよね?
「それでは、席についてください。授業始めますよ」
「城崎さん、おいで」
「……え?」
先生がそういった瞬間に佐藤くんは笑顔で私の手を取っていつも憂と座ってる席に向かう。
「……と、桃也!!」
歩き出した瞬間に後ろから青の怒ってる音色のような声が聞こえてくる。
「なに、青。早く葉山さんを席に連れて行ってあげなよ」
そう笑顔で言う佐藤くん。
この人も……本気で怒ってる。
いつもは、"憂"って優しく愛おしそうな声で呼ぶのに……"葉山さん"って背筋が凍ってしまいそうなほど低い声で言う佐藤くん。
"葉山"と呼ばれた瞬間に青の前で俯いていた憂がすごく驚いたあと悲しそうな顔をしたのが見えた……。

