憂の発言に最初に反応したのは私と憂と後一人を抜いた三人だった。
そのあとに遅れてザワザワと騒ぎ出すクラスメイトたち。
うるさいな……。
「…………えっ、芹那ちゃん……?」
そして、時間差を付けて反応した青。
遅すぎだろ……こいつ。
それに、なんで言った憂じゃなくて私を見るの?
「…………」
憂……ペア変えるって、本気だったんだ。
てか、何も喋らない前にいる佐藤くんが怖い……。
「……さ、佐藤くん……?」
青を無視して佐藤くんに呼び掛けると佐藤くんは自嘲気味に笑っていた。
やばい……佐藤くんが壊れた。
怖い……怖すぎるよ。
「俺何回も誤解だって言ったのに、信じてくれないんだね憂。俺の隣にいたくないからペア変えるなんて言ったんだよね。憂がその気ならいいよ、もう憂の気持ち分かったから。城崎さん、今日からよろしくね」
「……え?う、うん……」
憂に向けていた視線をいきなり私に向けてくる佐藤くん。
佐藤くんの言葉に憂が反応したけど憂が何かを佐藤くんにいう事はなかった。
「ねぇ……ペア変えること、俺納得してな……」
「杜川くん……よ、よろしくね……」
「……憂、俺はこっちだけど……」
私の背中に顔を押し付けて私に抱きついたままの憂が多分……青に言ったんだと思う。
憂……大丈夫かな……。
私の前には怖い顔をして微笑む佐藤くん。
私の後ろには張り付いたままの憂と困惑した顔の青。
ねぇ……今更かもしれないけどさ、この喧嘩……相当重症な気がしてきたよ私。

