しばらく奥に進み続けて女の子がいきなり止まる。
どうしたんだろ?



――ガサガサッ。



後ろから誰かが追ってくる音が聞こえた。
まさか……変質者?
この子、危なくない……?



「……速過ぎだ、バカっ!」



……ん?
音の方じゃなくて帽子を被った長い髪の女の子を見てしまった。
口悪いな……この子。



てか、誰が来たかわからないのに。
速いってことは、鬼の男の子かな?




「……見つけた」



草むらから顔を出したのはさっきの子供にしては綺麗な顔をし過ぎてる男の子。
この子、誘拐とか大丈夫なのかな?



男の子の声が聞こえると女の子の肩がビクッと揺れる。
この子、そんなに怖いのかな?




「なんで、わかるのさっ!!どこにかくれてもすぐにくるしっ!!バカ!!」



この子、バカ好きだな……。
男の子は何も気にしてないような……ていうか、なんか嬉しそうに笑ってるけど?



「わかりやすいからだよ。ほら、ぼくのかちだよ。やくそくどおり、ぼくの……」



約束?
僕のって、何の約束したんだろ?
男の子が約束のやつを言おうとしたら女の子は帽子の下で顔を真っ赤にして大声を出して叫んだ。



「ならないから!!バカ!!ちかづくなっ!!……え??」




――危ないっ!!――
「せりなちゃん!!」



え?
目の前の女の子が足を一歩後ろに下げた途端に体が斜めに後ろ向きに倒れていくところを走って手を伸ばすと男の子がそう言って、走り出した。




せりな……?
確かに、そう言った。