恋愛学園




「……憂!?」



「……せ、芹那ちゃん……」



青が行った方向にしばらく走っているとすごく小さな子が座れば一人くらいは隠れられそうな場所で茶髪の緩く巻いてるロングの髪と小さく震えてる女の子を見つけた。




憂は、私を見て涙で濡れた顔で私に抱きついてきた。




「……憂、桃也は?」




「……あ、あっち……です」




私にギュッと抱きついたままで、手で佐藤くんが走っていたらしき方角を指さす。




「……芹那ちゃんと憂は、此処に隠れてて。俺は桃也の所行ってくるから」




「……わかった」




私が頷くのを見てから、青は憂が指を指した方角に走っていた。
さっきまで……あのスピードについて行っていた自分を褒めたいくらいだな。
それと、青の無限にありそうな体力に少し感心するな……。




「……芹那ちゃん、大丈夫……?」



抱きついていた憂が少し離れて私を見上げてくる。
卵まみれだからだろうな……。



「大丈夫だよ。憂は、どこも怪我してない?」




泣き過ぎたせいか目が赤く腫れ上がっているように感じたけど、見た限り怪我はなさそうで安心した。
さすが、佐藤くんだな……。




「……大丈夫……」




そう言って憂はまた私に抱きついてくる。
こんな所に、一人で怖かったんだな。
こんな卵まみれの私に抱きついてくるなんて。




憂の柔らかな茶色の髪を優しく撫でた。
少しでも、安心してくれたらいいけど。