ケータイ小説『ハルシオンのいらない日常』 著:ヨウ


こういう幸せに身を置いたことが ない身 の上だから?

私は、信じられないくらいのめりこん だ。 あっという間にケータイ小説の物語 に引き 込まれ、ヒマさえあればケータイ 小説を読 んでいる。

今みたいなバイトの帰り道。

大学に向かうバスの中。

夢中になりすぎると、退屈な講義の時に も ケータイを見てしまう始末だ。


ケータイ小説の作者さんはみんな、一般 の 人らしい。

私のような大学生だったり、中学生のコ も いる。もっとビックリしたのは、社会 人や 主婦をしている大人の人もたくさん いると いうこと。

小説を書く人がそんなにたくさん存在し て いるなんて知らなかったし、こんな楽 しい 話を書けるなんて、みんな天才なん じゃな いかと心から思った。


これからも、幸せな気分になれる小説を い っぱいいっぱい読みたい。


ケータイ小説を読みながら帰ると、心な し か家に着くのも早かった。

家の玄関扉を開けた瞬間、一気に、夢の 世 界から切り離される、

小説の余韻をかすかに感じつつ、家の中 に 入ると、両親がケンカしていた。