それとセットだったかのように、終業式の日にからかってきた、隣りの席の夏野君の笑顔が、頭の中に浮かんだ。
日に当たり、キラキラと透き通るように輝く、綺麗な金髪。右耳にのみズラッと並ぶ全て同じ形の丸いピアス。
腕時計やミサンガすらも着けられてない、裸の状態の両手。
反応が弱く怖そうに睨んでくる顔、それすら格好良く見えるイケメン。それだけに、輝く髪の色も合わせて、笑った時の眩しさったら半端無い。
そして頭が良くて成績優秀、にも関わらず見た目とも合わない意外な天然ボケが、最初に想像してたよりずっと気さくなイメージだ。

相変わらず色々と事情は有るみたいだけど、無愛想にしてるのは本当に勿体無い。
あの天然ボケもあるし、明るく振舞ってたら、クラスどころか学年中で人気者になれるのに。
けど、そんなに他の人と仲良くして欲しくもない気もする。
私だけと話して欲しい、……てのは、さすがに独占しすぎか。矛盾だらけだ。


――――気付いたら、部屋の壁掛け時計が一時間進んでいた。
荷物は散らかしっ放しのまま、宿題が和室の畳に広げられてるだけだった。
……ヤバい。このままじゃ英語を克服するどころか、宿題も終わらずに夏休みが終わってしまう。
というか、荷物の片付けすら終わらなさそうだ。





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