彼が虚勢をはる理由






私が小さく呟くと、夏野君は少し微笑んだ。
――って、何だこのハッピーエンドっぽい感じは! 私まだ聞きたい事あるんだけど!!
今朝、言い争っていた原因にも納得してないし、昨日の夏野君の様子がおかしかったらしい理由も知りたい。
…危ない危ない、危うく雰囲気に飲まれるところだった。

確か言い争いの時の話では、あたしが“英語も出来ないお子ちゃまで、だから彼氏もできないんだ”って言われたみたいだったけど。


「じゃあアレは? 何で今朝、揉めてたの?」

「……それ、話さなきゃいけない感じ?」


夏野君が苦々しそうな顔をする。いかにも話したくなさそうな感じ。
でも、私は知りたい。だって、私のコトで揉めてたみたいなんだもん。


「出来れば教えて欲しいな。私も関係してたみたいだし。…でも、言いたくなければ、別に良いよ」


本当は聞きたくてたまらないけど、精一杯オトナな対応をする。
…ってか、私も関わっている事だったら、私には知る権利があるような気もする。


「はぁ……」


夏野君は少し下を向いて、頭を両手で抱える。右耳に並んだピアス達が、チャラチャラと音を立てた。
私はポテトを摘まみながら、夏野君が話してくれるのを待つ。





.