その時その場所には、あたしと佐仲君以外誰も居なかった。
「話って何?」
隠れてこそこそするのは、親友に悪いと思ったから、早く話を終わらせて欲しくて素っ気なく聞いたの。
そしたら、佐仲君がいきなり抱きついてきた。
「えっ!!!!ちょっ?佐仲君!?離れてよ。」
あたしは、精一杯に抵抗した。でも、所詮は男と女。力で勝つことは出来なくて、そのまま押し倒された。
「っ!!!!!嫌っ!!!やめて、放してよ!!」
あたしがどんなに叫んでも、佐仲君は放してくれなかったし、運が悪いことに気づいたときにはもう、授業が始まってて周りに人は誰も居なかった。
「そんなに叫んでも、誰も来てくれないよ?俺さ、入学式の時に初めて蘭花ちゃんを見たときに、一目惚れしたんだよ。」
一目惚れって聞いて、どうして話したことがないのに、呼び出されたのかが分かった。
「一目惚れでこんなことするのはおかしい!!ちゃんと、あたしの性格を見てよ!中身を見て!見た目だけなんて嫌!」

