今日中に渡そうと決意した。


一度決めたことをしないのは、曲げることが嫌いな私には認められない。


だから、渡す。




―――ドキ…ドキ…




タイムリミットになる放課後が近づくにつれて心臓の音が周りにも聞こえるんじゃないかってくらいに大きくなっていった。


今日に限って先生の話も短く感じる。


早くも放課後になろうとしている。


…まだ、呼び出しもできてないのに…!


「きりーつ、礼!」


時間が過ぎるのはホントにあっという間だった。


もうチャンスはない。


帰ろうとしている仲田くんに私は急いで声をかけた。