ハート交換

『私・・・あの人どこかで見たような気がするんだけど。どこでだろう?』



彼女は、修一とどこであったのか一生懸命思い出そうとしている。その為に無意識に俺の足が貧乏ゆすりをしていた。



「何処でって、学校に決まっているだろう!君と修一は同じ学校じゃないか。きっと、どこかですれ違っていたんじゃないのかな。」


『ウン。そうなのかも。』



「そうに決まってる!」



俺は、つい苛ついてしまって強い口調で言い返してしまった。
どうしてこんなにイライラするのだろうか?自分でもわからない。


とにかく余り強い口調になってしまうと彼女の声が聞こえなくなってしまうではないか。


そのことを俺は心配した。初めてみた彼女の姿はあまりにも自信なさげで今にも消え入りそうだった。彼女の心も同様に違いない。