会場に入ってどのくらい時間がたったのだろう


夢中で展示品を見ていたから時間のことをすっかり忘れていたな


携帯で時間を確認する7時47分か・・・
あっという間だな。


しばらく歩いて行くと円形の少しスペースのある広場に着いた。


柔らかいスポットライトを浴びている最後の展示品


古代エジプトの姿鏡だった


想像していた大きさより遥かにでかく、高さ3メートル横幅1、5メートルほどある


「同じものが2つ・・・」



隣に並び合うように2つの鏡は立っていた。


これは凄い。遥か昔の文明にこれほど驚かされるなんて。こんな貴重な体験ができるなんて俺は幸せ者だな。


2つのそびえ立つ鏡をただただ圧巻されるように眺めていた時だった


カタン―


背後で物音がした。


振り返って見ると、誰かが物陰に隠れた


怪しい。まさか泥棒?「誰だ!」


問いかけて見たが応答なし。